日本刀 日本刀

手掻包永

文殊菩薩を本尊とするのが奈良県の般若寺である。般若寺は、東大寺の西の門・転害門から一K程北上したところにあるが、この転害門の門前街に、四郎左衛門包永という刀匠が住んでいた。包永は熱心な文殊菩薩の信者で常に菩薩の前に跪き、「名工と言われる腕をお与え下さい」と願掛けしていたという。菩薩は右手に「利剣」と呼ばれまた知恵の象徴として「智剣」とも呼ばれる剣を持っている。包永はいつもこの利剣を見ながら、自分もいつかあのような、人に尊ばれるほどの刀を討って見たいと願っていた。

祈りをささげていると童子が現れ、「自分の為に利剣を作りなさい。そうすれば、願いは叶うでしょう。」という。一心不乱に槌を振るい、会心の太刀を作った。

その夜から奈良の市中に人斬りが出没するようになった。それから数日後、般若寺で悪事退散の祈祷が行われた。文殊菩薩の右手の剣を見ると、昨日見たときと違うような気がする。近づいて剣を見ると茎に「包永」の銘が切られている。不思議に思った僧が包永のもとを訪れ、話を聞くと、菩薩の手に握られていた剣は、童子に渡した利剣に間違いないようだ。この日から、人斬りは姿を見せなくなった。包永の打った「利剣」の力に違いないと、寺から多くの御褒美と、「文殊四郎」と名乗ることを許されたという話である。

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